裕子の小説置場☆

千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……

第831話

9月30

これといって不審な人物は見当たらない。
さあ、さっさと仕事を終わらせよう。
私は、目に付いた椎の木の一本に近寄った。

第830話

9月29

さあ、公園の緑が見えてきたわ。
あいつら、まさか公園でたむろしてなければいいんだけど。
様子をうかがいながら、公園へと足を入れた。

第829話

9月29

母親はこどもの目を覆ったまま、そそくさと私から遠ざかっていった。
もしかして、目立ってるのかしら、私――
とにかく、親子の絆がふたたび固く結ばれたみたいで、安心したわ。

第828話

9月29

「しっ! 見るんじゃありません!」
母親はあわてて、こどもの目を両手で隠した。
なんだ、結局、長芋買ってもらったんだ。

第827話

9月28

「ママー! あれ、なに? どうしてビニールなんか、かぶってるの!?」
すれ違いざまに、こどもが手にした長芋で私を指しながら、声を上げた。
ん? なんでこどもが長芋なんか――あれ? この親子、さっきの――

第826話

9月28

無言でひたすら公園を目指す。
だんだん、コンビニ袋をかぶった頭が、熱気を帯びてきた。
額にうっすら汗が浮かんでくる。

第825話

9月28

ゴミ袋を肩にかけ、アパートをあとにした。
早足で蚕糸(さんし)の森公園へと向かう。
元気よく、あの掛け声をかけたいのだけれど、カオリに聞かれたら、すぐに正体がばれてしまう。

第824話

9月27

おっと、こんな匂いのするリュックサック、はだかで持ち歩くのは危険だわ。
さいごのさいごでカオリに嗅ぎつけられでもしたら、元も子もないもの。
もういちど家に戻り、二重に重ねたゴミ袋にリュックサックを入れ、口をきつく結んだ。

第823話

9月26

これでよし――
チラシを折りたたみ、ポケットに入れ立ち上がった。
コンビニ袋を再びかぶり、リュックサックを肩にかけ家を出た。

第822話

9月26

こんにちは。
このリュックサックとにんにく醤油の匂いで、私のこと、誰だかすぐわかると思います。
これまでいろいろ迷惑かけて、すみませんでした。
自分を深く省みようと、私は西に向かって旅に出ます。
決して捜さないでください。
私は独りで西に向かいます……
Y子

第821話

9月26

さて、と――
作戦とはいえ、こんなこと書くのは癪だけど――
私はチラシの上に、ペンを走らせた。

第820話

9月25

しばらく風を当て、シミになった箇所が乾くと、ドライヤーをしまい洗面所から出た。
リビングに戻り、部屋の隅に積んであったチラシの一枚を拾い上げる。
PCの脇に転がっていたペンを掴むと、テーブルに座った。

第819話

9月24

スプーンを流しで洗い終えると、リュックサックを持ち、洗面所に入った。
ドライヤーのコンセントを差し、醤油のシミの上から温風を当てる。
はねかえる暖かい風に乗り、香ばしいにんにくの匂いが広がった。

第818話

9月24

黄色い布地に、こげ茶色のシミが広がっていく。
醤油を垂らし終えると、スプーンをくわえて舐めた。
――あ、美味しい。

第817話

9月24

そのまま、こぼさぬよう、静かにスプーンをリュックサックの底のあたりに近づけた。
なんだか、せっかく洗いたてなのに、悪い気がするけど――
私は意を決して、スプーンを傾けた。

第816話

9月24

即席だけど、あいつらを欺くにはこれで十分だわ。
床に放り出してあったリュックサックを拾い上げ、テーブルの上に置いた。
作りたてのにんにく醤油を、スプーンでひとすくいする。

第815話

9月24

流しの下の戸を開け、醤油瓶を取り出した。
瓶の口を開け、皿の中に少量垂らす。
瓶を元の場所に戻し、箸でにんにくと醤油をよく混ぜ、なじませた。

第814話

9月24

プーンとにんにくの匂いが漂ってきた。
つぶれたにんにくをつまみ、お皿に入れる。
手をざっと水で流し、ジーンズのお尻で拭う。

第813話

9月21

水を飲み終え、一息ついた。
よし、じゃあ、作戦を実行に移すとするか――
先ほど買ったにんにくを一片むしりとると、皮をむき、まな板の上に載せ、包丁の背で潰しはじめた。

第812話

9月20

洗いものを終えると、喉が乾いてきた。
あ、しまった! 牛乳買うの忘れた!
いまさら買いに行くのも面倒だわ、しかたない、水で我慢しよう。

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