裕子の小説置場☆

千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……

第942話

11月30

「かわいいですね、ワンちゃん。 あの、コンビニ袋でよければ、私持ってますけど……」
私は飼い主に向かって言った。
「あら、ほんとですか? 助かります」

第941話

11月29

「困ったわ。 ビニール袋、忘れてきちゃったみたい」
頭上で飼い主の声がした。
私はポンポンと犬の頭を軽く叩き、立ち上がった。

第940話

11月29

犬は用を足している最中に邪魔をされ、迷惑そうに私の手から頭を逸らそうとする。
だが、私は両手で犬の顔をがっちり掴み、動かないよう固定する。
うーん、やっぱりこれ、どう見たって顔は柴犬じゃないの――

第939話

11月29

私は犬の前で立ち止まり、しゃがみこんだ。
「よしよし、かわいいね」
頭を撫でながらも、犬の顔と首から下をなんども見比べる。

第938話

11月29

歩調をゆるめ、まじまじと顔をのぞきこむ私に、犬も気づいて睨み返してきた。
「やだ、忘れちゃったのかしら……」
その横で飼い主のつぶやく声がした。

第937話

11月29

犬はというと、飼い主におかまいなく、神妙な顔つきで用を足している。
ん? あれ? この犬、シェトランドシープドッグかと思ったら、顔はまるっきり柴犬じゃない!
けど、首から下の毛並みと柄は、まさにシェルティ……

第936話

11月28

飼い主は、ジャージの両側のポケットへと交互に手を突っ込んでは、まさぐっている。
なにか大切なものを失くしでもしたのか、しきりに首を傾げている。

第935話

11月28

犬は植え込みに鼻を突っ込み、なにやら匂いを嗅いでいる。
と、おもむろに植え込みにお尻を向けて、しゃがみ込んだ。
飼い主と犬まで、あと数メートルにまで迫った。

第934話

11月27

住宅街を抜け、環七沿いに北上する。
前方に犬の散歩をしている女性がいる。
あの後姿はシェトランドシープドッグ?

第933話

11月27

まだ近所で乗ってる人を見かけたことないけど。
あれって、高いのかしら?
値段とか、あとでネットで調べてみよう――

第932話

11月27

高円寺駅前まで、歩いてだいたい20分。
自転車があれば楽なのに――
そういえば、あのセグウェイって、どうなのかしら。

第931話

11月27

ウエストポーチにしまっていた財布を取り出し、ジーンズの後ろポケットに突っ込む。
スニーカーを履き、家を出た。
夜風が涼しい。

第930話

11月26

けど、なんだろう、どうも気になる――
カオリの雰囲気――顔立ち――
よし、やっぱり行こう! こういうときは、直感に従うのが一番だわ。

第929話

11月25

それと、カオリには二人の兄弟がいるとも言っていた。
こちらは彼らの顔を知らないけど、向こうはカオリから私のことを聞いているかもしれない。
やはり、今、駅前に足を運ぶのは危険かしら――

第928話

11月25

つまり、カオリは彼らよりも上の立場にいるということ。
たとえば、社長令嬢とか?
最低でもあれだけの従業員がいるのなら、そこそこ大きな魚屋さんよね。

第927話

11月24

もしかしたら、そこにカオリも住んでいるかもしれないのに――
公園でカオリといっしょにいた男たちの恰好は、どう見ても魚屋みたいだった。
しかも、カオリの指図には忠実に従っていた。

第926話

11月24

大家さんの言っていた佐倉水産――カオリの母親である節子さんの実家。
高円寺駅近くにあるって――
なぜだろう、危険なのはわかっているのに、妙に気になる。

第925話

11月24

ベッドから降りると、台所のゴミ箱に向かう。
さきほど丸めて捨てたコンビニ袋を拾い出し、裏返して畳む。
念のため、これも持って行こう。

第924話

11月23

テレビの上に置いてある時計を見ると、夕方の6時を回っていた。
お腹は――まださほど空いていない。
この暗さなら、外に出ても、カオリたちに見つかりにくいわよね。

第923話

11月23

部屋の中央にぶらさがっている、ビニール紐を引っぱる。
カチャ
部屋の中が明るくなった。

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