裕子の小説置場☆

千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……

第1046話

2月25

首輪が外れると、彼女は思い出したように四つん這いから二本脚で立ち上がった。
「私は――」
彼女はそう言ったまま、言葉を詰まらせた。

第1045話

2月24

そう、あの長芋好きな息子のことが気にかかっているにちがいない。
私は、彼女の首に巻かれたままになっていた首輪を外しながら言った。
「どっちを選ぶもあなたの自由。 正解なんてない」

第1044話

2月24

「で、あなたはどうするの?」
飼い主に向かって問いかけた。
私には、彼女がためらう理由がわかっている。

第1043話

2月24

ワン!――
犬は、自分が必要とされているのがわかったのか、答えるように、ひと声吠えた。
いっぽう、飼い主の表情には、ためらいが浮かんでいた。

第1042話

2月22

はぁ、はぁ、はぁ……
しばらく深い息をして呼吸を整えると、彼女たちに言った。
「犬なら鼻が利くでしょ? ちょっと手伝ってほしいの」

第1041話

2月20

彼女たちの前に着くと、その場で駆け足をつづけながら呼吸を整える。
「ちょ、ちょっと待って……今……い、息を整える……から……」
彼女たちは上目遣いで私をにらんだままだ。

第1040話

2月20

街灯に照らされ、うっすら浮かび上がる人と犬の姿。
まちがいない、さっきの主婦と飼い犬だ。
警戒しているのか、私に向かって低いうなり声を上げている。

第1039話

2月20

心の中で、何度目の「ナー」をつぶやいただだろう。
住宅街から環七沿いの歩道に入り、しばらく走りつづける。
あ! まだ、いた!

第1038話

2月18

ジョジョジョジョ ジョイナー ジョジョ ジョイ ナー
口には出さず、心の中でリズムを刻む。
「ナー」だけは、すこし鼻にかかった裏声で。

第1037話

2月16

たのむわ!
どうかまだ、あの場所で落ち込んだまま、じっとしていて!
そう願いながら、とびっきりのジョイナー走りで住宅街を駆け抜けた。

第1036話

2月16

ん? あ、もしかして――
役に立つかもしれない!
私は振り返ると、ふたたびアパートの玄関を飛び出した。

第1035話

2月16

アパートの玄関を入り、自宅ドアに向かう途中、ふと先ほどの主婦と飼い犬のことを思い出した。
あの人たち、まだあそこに座り込んだままなのかしら。

第1034話

2月14

悪寒が背中を走った。
まさか、今頃――
ううん、悪いほうに考えるのはよそう。

第1033話

2月14

大村崑誘拐は、怨恨なんかじゃない!
まちがいなく、金目当てね!?
けど、へそくりを無事回収した犯人は、用済みになった大村崑を――

第1032話

2月12

うん、やっぱり、へそくり説の線はないわね。
あ、でも、お札はビニール袋に入れておけばいいのか。
まさかこんなところに、と思うような、逆に目立つところに隠したほうが、みつかりにくいのかも!

第1031話

2月12

しかし、なぜ?
わざわざ人目につく看板の裏になんか――
雨が染み込んで、お札もぐしょぐしょになっちゃうだろうし――

第1030話

2月12

大家さん、あれから捜査は進んだのかしら。
たとえば、だれかがこっそりあの看板の裏にへそくりを溜めつづけていて、とうとう使う日が来たから、看板ごと外して持っていった、とか。

第1029話

2月12

自宅アパートに着いた。
やはり、オロナミンCの看板は剥がされたままだ。
そりゃそうよね、あんなもの外して持っていって、またわざわざ返しに来たりしないものね。

第1028話

2月10

そう考えたら、自然と脚が早くなった。
高円寺駅前の佐倉水産のことが気になったが、まあいい、お店は逃げたりしない。
どうせ明日も、浦安に向かうため駅に行くし。

第1027話

2月10

さっきは全力疾走して体力を消耗した上に、駅前に行く気も失ってしまった。
明日はきっと、太ももが筋肉痛だわ。
さっさと帰って、ラーメンを作って食べてゴロゴロしよう。

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