裕子の小説置場☆

千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……

第1266話

4月27

焼き芋をしげしげと眺める私に、男は言った。
「安納芋だぜ」

え? アンノウン芋? 未知の芋ってこと?

第1265話

4月27

私も紙袋から焼き芋を一本取り出し、ふたつに割った。
湯気の立ち上る割り口は、卵の黄身のような、ずいぶんと濃い黄色をしている。

第1264話

4月27

私は焼き芋を三本買った。
軽トラックは走り去り、私と男が残った。
さっそく男は焼き芋を口にしている。

第1263話

4月26

今は見失った夢よりも、目先の焼き芋だわ!
あわてて玄関を飛び出し、軽トラックに乗り込もうとしている焼き芋屋に声を掛けた。
「まってぇ!」

第1262話

4月26

「まいどありぃ!」
焼き芋屋の威勢のいい声が響き、私は我に帰った。

たいへん! 買いそびれちゃう!

第1261話

4月26

ねぇ、私の夢はなんだったんだ? って!

――あれ? そういえば、なんだっけ?

第1260話

4月26

日々の些事に追われ、夢や希望を見失いがちなとき――
サンダルの溝に食い込んだ小石がアスファルトに当たる音を聞いて、私は思い出すの!

第1259話

4月26

たしかにいくら夢を詰め込んだところで、小石は溝に詰まりつづけるだろう。
そんなことはわかっている。
けどね――

第1258話

4月26

だから私は決めた。
便所サンダルの溝いっぱい、溢れんばかりの夢を詰め込もうと!

第1257話

4月26

そんなことをあれこれと考えつづけていたある日、やっとわかったのだ。
そう、形あるものだけがすべてではない。
ほんとうに大事なものは、目には映らないんじゃないかって。

第1256話

4月26

水に強くて、加工しやすいものって、ほかになにがあるかしら?
ホームセンターでゴム板を買ってきて詰めるとか。
いっそ、サンダルの裏一面にウレタンでも張ってしまうとか。

第1255話

4月26

うーん、石鹸は溶け切るたびに、新しいのを詰めなおさなくちゃならないから面倒よね。
やめておこう。

第1254話

4月25

「あ! 泡おんなだ! 妖怪泡おんなだ!」

そのうち、せっけんはすべて溶解し、私は妖怪から人間へと戻るの――

第1253話

4月25

台所用せっけん――

雨の日、私が歩いた跡には、ぶくぶくと泡が立ってるの。
それを見て、きっと近所の子供たちが囃し立てるだろう。

第1252話

4月25

錆の浮いた、スチールウール――

固く詰めればいけそうだけど、水に弱いからやめておこう。

第1251話

4月23

とりあえず私は、台所で目に付くものを片っ端から詰めてみることにした。

まずは、使い古した洗い物用のスポンジ――
だめだ、柔らかすぎて、やはり小石が詰まってしまう。

第1250話

4月23

だけど、考えてみたら、隙間があるから小石が詰まるんじゃない?
だから私は考えた。
だったら先に、ナニカ詰めておけば――

第1249話

4月23

ならば、硬ければいいのだろうと、バーベキュー用の鉄串でためしてみたところ、こんどはうまくいった。
そんなわけで一時期、毎週末の数分間を、鉄串で小石をほじくり出す作業にあてていたことがある。

第1248話

4月23

ためしにゴムと小石の隙間に割り箸を差し入れて、ほじくり出そうとしたこともあるが、力を込めると割り箸はパキパキと割れてしまい、この作戦もうまくいかなかった。

第1247話

4月23

しかたがないので、指で小石をほじくり出すのだが、ゴム製のサンダルにがっつりとくわえ込まれた小石は、なかなか取り出せない。

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